中国雑記帳

視察ツアー2005上海・企業編 - 視察から投資を考える


2005年10月27日〜30日にかけての「小泉鉄造と行く!中国企業視察ツアー2005上海」では、ちょっとしたハプニングがありながらも、なかなか意義深いツアーになりました。

視察先は

・復地集団(コード:2337)

・上海証券取引所

・上海振華港口機械
   (コード:900947)

全員で記念写真
全員での記念写真

・宝山鋼鉄(コード:600019)

・上海友誼(シャンハイフレンドシップ/コード:900923)の店舗

・聯華超市(リエンフアスーパー/コード:0980)の店舗

の6箇所です。今回は訪問先の内、2箇所は私たちにとって直接の投資先にならない所ではありましたが、企業内容は勿論、市場環境という面でも非常に興味深い視察になりました。

詳細につきましては有料メールマガジンの方で既に配信しましたが、非常に中身の濃い、量的にも多いものでしたので、それぞれの訪問先の概略を簡単にご紹介します。


復地集団(コード:2337)

訪問第一社目の復地(集団)股フン有限公司(シャンハイ・フォート・ランド/コード:2337)では、開発物件を見学しながら企業説明他を聞きました。

本土系不動産セクターは6月ごろまでは調整局面が続いていましたが、その後は回復してきています。中国では今後、都市部に人口が集中する傾向があり、長期的には不動産業界は楽観視できる可能性が大きい業種です。

開発物件はなかなかのものです
開発物件はなかなかのものです

復地集団は現在、上海の中心地を主に開発していますが、今後は他の地域での販売を拡大していく予定という事です。

社員の年収は10万元で、上海ではとても高い給料です。

かつての日本でも経済が発展するとともに給料も年々上がっていきました。現在の中国の姿が過去の日本の姿です。

これだけを見ても投資できる国かどうか、伸びていける企業かどうかの見当がつくでしょう。不動産企業では投資妙味がある企業です。



上海証券取引所

上海証券取引所には、28日の午前11時に伺いました。

取引所関係者と
取引所関係者と

2003年までは上海証券取引所に伺うことは比較的に簡単だったのですが、2004年以降はなかなか中には入れないようになりました。今回は色々な方の協力で中に入り、取引所関係者の方から取引方法そのほかの内容とともに、一つ大きな内容の話を聞く事ができました。

現在、中国政府が株式改革で目玉として行なっているのが非流通株改革です。

国が保有し、今までは市場に出回る事が無かった株=非流通株を市場に放出し流通させる事で、透明性のある株式市場に育て上げていこうというものですが、市場では需給悪化懸念が出て、悪材料としてみていました。

中国政府は2005年に入って積極的に非流通株改革を進め、その結果今年前半は中国本土A・B株市場の株価指数は徐々に下げてきています。

まだ改革が始まったばかりですので今後を見ていく必要がありますが、ここで一つ大きな話を聞いたのが、この非流通株改革の見通しです。

今後一定期間のうちに、国が保有している非流通株は、全企業について放出する手続きを完了させる予定ということでした。

ある程度非流通株放出問題にメドがつけば、株価の上昇余地が出てくる事になるでしょう。今回は、この話を聞けただけでも上海証券取引所にきた意義がありました。



上海振華港口機械
(シャンハイ・ジェンフア・ポートマシーナリ/コード:900947)

28日の午後、上海振華港口機械の本社に伺いましたが、ちょうど2005年第三四半期(1〜9月)発表の日と重なり、直接関係者の方から意見を聞くことができました。

3Q決算発表についても説明を受けました
3Q決算についても聞けました

国内外からの受注が増えている事で、順調に業績も伸びているという当たり前の答えでした。ですが、この当たり前のことがなかなかできないのが企業です。

現在、港湾クレーンの製造では同社が233台、第二位のイタリアの企業で13台となっており、如何に世界においてのトップ企業かがわかります。

同社には2003年11月14日とその前にも伺っており、今回が3回目にあたりますが、前回訪問時の予想以上に速いスピードで国内販売率が増えています。また、資金面その他からは、事業拡大を図りながら収益向上を図っている姿が見えます。

株価でみれば2003年11月時点よりも安くなっていますが、それには「無償株発行」という理由があります。もし2003年11月に同社株を購入していたなら、株数では3倍にまで増えています。

これは過去の数字から見た結果ですが、現実に利益を上げていくのはこれからです。過去を見て現在の企業内容を知り、どのように伸びていけるかを見守っていくことで、いつまで投資ができるかを判断していくことが必要です。

同社では、今後は海外からの受注のほか、国内での受注率が上昇する事を見込めると言っています。まだまだ伸びていく企業です。



宝山鋼鉄(コード:600019)

宝山鋼鉄は、中国本土A株市場に上場している中国で最大の鉄鋼メーカーです。今回は本社に伺い、工場の中を見せていただきながら話を聞くことができました。

工場では人の姿はまばらで、製造工程ではほとんど全部がオートメーションで稼動しています。

工場内はほとんど自動稼働
工場内はほとんど自動稼働

この技術は日本の新日鉄ほか海外からの協力でできたもので、日本の新日鉄にはまだ技術ではかなわないということでしたが、将来もこのままでいるはずがありません。

そして一番驚いたのは宝山鋼鉄の地所の広さです。

マカオ全土の広さは現在17万平方キロメートル、宝山鋼鉄の地所はそれを上回る19万平方キロメートルとなっており、更に拡張していくということですから途方もない広さです。敷地内には鉄道が引かれ、工場の一部を見学する為の移動には専用車で15分から20分はかかりましたから、どれくらい広いかが想像できると思います。

宝山鋼鉄は中国本土A株市場に上場していますので、私達外国人は投資できませんが、私自身は前から、投資妙味がある企業だと思っていました。この点では将来、香港H株市場に上場する可能性もあるということです。

宝山鋼鉄は前出の「上海振華港口機械」とも関係があります。

上海振華港口機械とは地理的に近く、将来は海底トンネルか橋を作り鉄鋼を供給する予定との事でした。上海振華港口機械としては、こうして鉄鋼が調達できれば輸送費もかかりませんので、優位な立場に立てます。

このようなことは実際に見てみないとなかなか理解できないことです。



上海友誼(シャンハイフレンドシップ/コード:900923)

10月29日には、聯華超市の親会社である上海友誼の店舗に行きました。

まず驚いたのが、”お店に人気がない”ことでした。訪問時間は土曜日の午後3時ころでしたので、お客でお店がごった返していいはずですが、お店の中は閑散としていました。

街には活気があります
街には活気があります

今回行ったフレンドシップのお店自体は、1997年に私自身が上海を訪問した際とほぼ同じような売り場ですが、来店客は1997年よりも少ないのです。

投資家の立場から言えば「一目見てこのような企業の株は購入できない」と思わせます。

ですが、フレンドシップには「もうひとつの顔」があります。

傘下企業には国内スーパー最大手の聯華超市(コード:0980)、ホームセンター大手の「好美家装コウ建材」があり、それぞれ大きく業績が伸びています。

また、フランスのカルフールとショッピングセンターを展開しており、売り上げも順調です。2003年に行った時は、来客数は聯華超市以上に入っていました。

本当に投資できるかどうかは今後もう少し様子を見る必要がありますが、私自身は投資を考えることができる企業の中に入っていると思います。



聯華超市(リエンフアスーパー/コード:0980)

上海友誼 (コード:900923)の傘下企業である聯華超市の店舗にも、10月30日に行きました。聯華超市は中国国内最大手のスーパーマーケット小売りチェーンです。

今回行った店は大型店舗のハイパーマーケット(大型ディスカウントストア)で、お客は日本とは格段の差で多く入っていました。

中国では所得向上に伴ない住民の消費量が増えていきますので、追い風の業種です。

都市らしい一面もあります
都市らしい一面もあります

また、海外からの進出があったとしても大きな影響は出ないとみており、北京を中心に小売りチェーンを展開しているウーマート・ストアーズ(コード:8277)とシェアを奪い合うという構図にもならず、お互いに伸びていける状態にあります。

ですが上海ではスーパーチェーン店は2003年ころから過等競争に入っています。

また、私自身は今回小さなスーパーチェーン店にはいっていませんので、どのような状態にあるのかが判断できません。次回訪問の折にはスーパーチェーン店にもいきたいと思います。

聯華超市は他の企業と差別化を推し進め業績では伸びており、長期的に伸びていくと思われるので、投資が検討できます。



投資では企業そのものをみる事も大切ですが、その周辺環境も大きく影響してきます。その事を改めて実感したツアーでもありました。企業視察に限らず、その街や生活をみてみる事も「投資の楽しみ」の一つになるでしょう。是非、一度は現地を訪れてみる事をお勧めします。


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