中国雑記帳

広州&マカオ視察ツアー2006 - 視察先企業を考える


第4回となるいずみ企画の中国企業視察ツアーが、2006年6月7日から10日までの日程で催行されました。今回の視察先は、広州とマカオにある上場企業4社です。

・6月7日

広東省高速公路発展
  (コード:200429)高速道路運営

・6月8日

広州富力地産(コード:2777)不動産

広州薬業(コード:0874)薬品

・6月9日

メルコ・インターナショナル
    (コード:0200)カジノ経営

全員で記念撮影
全員で記念撮影

うかがった企業に関しては変更がでましたが、業種でもバランスがとれた訪問となっています。

それぞれについて、有料メールマガジンで配信した情報から、ダイジェスト版としてご紹介します。


広東省高速公路発展(コード:200429)

第一日目の6月7日、高速道路運営会社である広東省高速公路発展(コード:200429)に伺いました。当初は移動日にあてていましたが、予定を変更しての訪問となりました。

毎回そうなのですが、現地でも、当日でも変更があるくらいですから、やはり実際に企業に伺うまでは気が抜けません。

広州の空港は現在中国では一番大きい滑走路が2本ありますが、将来は5本に増えるということでした。

広東省高速道路は広州の空港からは近くにあり、車で20分程度のところにあります。広東省高速道路には午後4時10分に着きました。

広東省高速道路は広東省で有料高速道路と大型橋梁の管理・運営およびガソリンスタンド経営等を行っている高速道路運営企業です。

ミーティングでの質疑応答では、他の高速道路企業との比較での長所・短所として、地理的優位と権益問題を挙げていましたが、経済成長が著しい珠江デルタ地域で運営してきたために、業績では毎年安定して伸びており増収増益となっています。

本社入り口から
本社入り口から

今後も業績が伸びていくことはほぼ確実でしょう。

問題は企業の業績に対する成長率です。

広東省高速公路発展は、成長率が高いというよりは安定して伸びていく企業です。



広州富力地産(コード:2777)

第二日目となる6月8日の午前中は、不動産企業の広州富力地産の本社に伺いミーティングを行った後、同社の開発物件を見学しています。

本来、2件の物件を見学する予定でしたが、ミーティングが長引き1件のみの見学になりました。

広州富力地産は広東省広州市を基盤とした不動産大手デベロッパー企業で、開発している物件は利益率が高い中産階級を相手にした住宅物件が中心です。

同社の企業戦略は、まずひとつの地域で成功し、他に有力な案件がある次の都市に投資していく、堅実経営がモットウ。現在は北京や天津、瀋陽などに進出しています。

また、広州で人材を育成した後に各省の物件開発に当たらせることで、効率的に物件を開発していくことができると同時に、大規模プロジェクトに注力していくことで技術開発能力を向上させていく方針です。

ミーティングでは、マクロコントロール政策の話題も出ました。

同社は90平方メートル以下の物件へのニーズに対して懐疑的でしたが、「中国本土の添乗員」によれば、一般市民は90平方メートル以下の物件に興味があるということです。

ほぼ都市丸ごとの計画模型
ほぼ都市丸ごとの計画模型

不動産企業としては、広州富力地産は万科企業とともに、投資魅力のある企業としてみることができます。



広州薬業(コード:0874)

6月8日の午後は、製薬企業である広州薬業でのミーティングです。

午前中のミーティングが長引いた影響で、昼の食事時間も少し遅くなったのですが、飲茶料理を楽しみ、2時に広州薬業の本社に伺いました。

広州薬業は、特許漢方薬の研究開発・製造・販売を主力として、他に一般薬品、医療機器の貿易を行うとともにバイオ薬の研究開発を行っています。

2005年は二桁の増収を達成していますが、売上に対する純利益は、ほかの業種に比べて低い数字となっています。また、「ROE」でも低い数字となっています。

ミーティング後に同社幹部と
ミーティング後に同社幹部と

製薬企業は売り出した商品が大ヒットすれば大きく業績も伸びますが、それを作れるような企業を見分けることができるかといえばまず不可能です。

業績が伸びていく企業かがハッキリ見えない訳ですから、製薬企業に投資を考えるときは慎重にするべきです。

今回広州薬業に伺い、製薬企業への投資は、なかなか難しい事を再確認しました。



メルコ・インターナショナル(コード:0200)

企業訪問最終日となる6月9日は、コングロマリット企業のメルコ・インターナショナルに伺いました。

午前中は広州からマカオまでバスで移動し、マカオ入国後の午後3時からミーティング、午後6時から開発物件の見学というスケジュールで、メルコ・インターナショナルの方には3時から夜の11時まで付き合っていただきました。

メルコ・インターナショナルの方には、わざわざ香港から来ていただいた上に約8時間も付き合っていただき、感謝しています。

エンターテインメント企業らしいディスプレイ
エンターテインメント企業らしいディスプレイ

同社は現在「マカオのカジノ王」といわれているスタンレー・ホー氏が会長となり、息子のローレンス氏が社長を務めています。マカオでカジノ、ホテル事業を展開するほか、不動産事業、高速フェリーの運行を業務として手がけています。

「昔のスタイルのカジノと、もう一件は新しいスタイルのカジノを見学してもらいますので、その違いをよく見てください」という事で、物件見学では、まず昔のスタイルのカジノ「リスボア」を見学した後、ポルトガル料理を楽しんでから関係者の方と再度ミーティングを行い、今度は一番新しいカジノにいき見学しています。

両方のカジノとも繁盛しているのですが、リスボアはお客のほかに警備の人が大勢いて監視しています。

一方、新しいタイプのカジノは非常に大きなフロアーで営業しており、警備の人は配置せず、多くのカメラで監視しています。

他にも色々な所で、その違いを目にしました。

今後、中国からマカオに来る観光客はカジノを目的にやってくるのですから、業績が伸びていくことは間違いありません。

現社長のローレンス氏の経営方針も的確で、その考え方が変わらない限りは業績でも伸びていくでしょう。

計画模型も派手です
計画模型も派手です

ただ、カジノ経営という事業に対し拒否反応を示す人もいるでしょうから、利益優先だけで投資を考えない方もいらっしゃるでしょう。

逆に同社に将来性を感じて投資したい方もいらっしゃるでしょうし、個人の好みがでる企業であることは確かです。

なお余談ですが、ローレンス氏は小さいときにマカオで誘拐されたことがあるそうです。

どこに行くにもガードマンが同行するという事ですし、大金持ちも悩みは尽きないのでしょう。




投資を考える時には、色々な情報を集め、自身の投資スタイルや考え方に合った企業を探そうとすると思いますが、調べてみると投資に値しなかったり、なかなか納得できる投資先が見つからなかったり、思う様に投資が進められない事もあるでしょう。

その逆に、興味が無かった所から意外にも自分の方針に合った投資先が出てきたり、敬遠していた所が実際にはとても価値ある投資先になったりする事もあるかも知れません。

開発はこれから進みます
開発はこれから進みます

現地で企業を視察し、街並や空気、生活を肌で感じてみるという事は、私たちが日本で得られる以上の情報を得られるという事です。

現地企業がそこでどんな価値を見出されているのか、あるいは現地では何が必要とされているのか、そんな所から新たな投資の「出会い」がもたらされる可能性もあります。

それもまた一つの楽しみとして、現地を訪れる機会を持ってみては如何でしょうか。きっと感じるものがあると思います。


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